動物界にも親孝行はある?

ピーちゃん

動物の親孝行

親孝行というと人間の世界の話であり、子供が親に何かをするということであり、多くの人がそのように認識していると思います。
親に対して何かしてあげたい、親に恩返しをしてあげたいというのは人間特有の感情でしょう。
これが他の動物なら、親が動けなくなったら介抱して傷を治してあげたり、親の死を見て墓を作ってあげたりすることはないです。
それでは本当に人間以外の動物の世界では親孝行というものはないのでしょうか。

基本的に親孝行は人間特有のもの

親孝行というのは親に恩返しをする、親の苦労をねぎらうという感情からくるものです。
これは親子の絆によって成り立つといっても良いでしょう。
それでは、これが動物の世界ではどうでしょうか。

確かに動物でも知能の高いチンパンジーなどは、子供を大切にします。
中には子供が死んでも数日は手放さないような場合もあります。
しかし子供が親をいたわるかというと、幼い間は親に甘えたりはしますが、子育てしてもらった恩を返すようなことはありません。
親が死んでしまえば子供は自然界で生きていくために、早々と親と別れて糧を探すようになることも多いです。
そのために残念ながら動物界では親孝行という感情はないでしょう。
ただしもしかしたら、チンパンジーなどの知能の高い動物が、さらに発達し恩を感じるようになれば親孝行もありえるかもしれません。

狼での世界

動物界では親孝行はないとは言っても、狼の世界ならそれに近いものはあります。
狼の世界では人間よりも夫婦の絆は強く、一度決めたパートナーと一生添い遂げます。
また子供に対する愛情も強く、オスは狩りをしながら子供にエサを与え、メスは子育てをします。
また相手の感情を目で読んで、狩りで相手と連携したりすることもあり、狼は大変感情豊かで人間に近いような行動をする生き物です。
そして、狼の群れでは兄妹や親戚で形成し、その中で助け合いながら生きていきます。
これは自然界の厳しい中で生きていくための、それぞれの役割分担であり、これを親孝行と見るかどうかは難しいところではあります。

ただし助け合いながら生きていく動物というのは、狼だけではなく、その他の特に群れを形成しながら生きていく動物ではよく見られる光景です。

鳥のヘルパーという習性

一部の鳥の中ではヘルパーという習性があります。
これは群れの中で相手が見つからない場合に、他の番のヘルパーとして子育てを手伝うというものです。
エナガやオナガやツバメなどに見られる習性です。

またこのヘルパーという行動は上記の狼の中のある種でも見られ、若い狼が子供の狼の世話をするような光景もあります。
これは自然界のみならず、動物園にいる狼にも見られる行動です。